【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「大丈夫だよ。亜瑚の心の準備ができるまで待ってるって決めてたから」
でも亜瑚はうつむいたまま、俺の上から退こうとしない。
こんな近くに、しかもこんな体勢でいられると、なかなか厳しいものがあるんですけど。
「亜瑚さーん?
早く退いてくれないと、なにもしないでいられるほど俺はできてな――」
と、その時。不意に亜瑚が体を倒し、俺の胸元に顔を伏せてきた。
「亜瑚?」
再び体を起こした亜瑚は、下唇を噛み締め、潤んだ瞳をそらさずに、消え入りそうなか細い声で呟いた。
「湊……好き……。だから……大丈夫、だよ」
「……っ」