レヴィオルストーリー

12.幼なじみ


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

アレンとレイが仲直りし、三人とロンは眠っているギルクを運びながら宿に戻った。


考古学で有名なだけあって、メアンビレッジの宿は本が置いてあるなど、文学的な感じの部屋だ。



「お兄ちゃん、見つけたからにはもう行かせないわよ…。レイマシティまで着いてきて!」


「俺はまだここで考古学を勉強したいんだけどなぁ」

ロンは爽やかに笑い、怒るレイに言った。


「何言ってんの!お母さんとお父さんがどれだけ心配してると思ってるのよ!!」

「ん~、そうだね…。じゃあ二人に言ってからまた来るしかないかな…。」

レイの物凄い迫力ある剣幕に、ロンは諦めたようだ。



「…アレン」

怒った顔のままアレンのところに来たレイ。

アレンは少し面食らった。


「…何」

「次、レイマシティに行ってもいいかしら。私の故郷なんだけど…。」

「いい」

あっさりとそう言ったアレンは読んでいた本に視線を落とした。


「何の本?」

ロンが興味を持ったらしく、アレンのところに寄ってくる。



「“四つの灯台”」

「あぁ、それ呼んだことあるよ!興味あるのかい?」

「故郷のカルアシティにあったから」

アレンは本を閉じ、ロンを見上げた。


「カルアシティ出身なのか。あそこには南の塔があったんだよな。」


「…はい。」


少し間を空けて返したアレン。


「アレン?」

レイが不思議そうに見つめた。

「え?」



アレンはうつ向いていた顔を上げる。


「どうかしたの?」


「…別に。何で?」

「…ううん、何でもないならいいの。」


ロンはアレンとレイをまたジッと見つめる。


「…レイ」

「え?お兄ちゃん?」

ロンはレイに後ろから抱きついた。


「帰ったら家族みんなでどっか食べに行こう。それから…」


ロンはポケットから何かを取り出した。




< 107 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop