小児病棟
五年生の男女七人は、担任の川端先生と共に夜の浜辺へとやってきた。夜の海は、まるでコールタールのように真っ黒でうねっていた。月の明かりが、波の陰影を際立たせている。

「あー気持ちいいー」
 
川端先生は、海風を体いっぱいにうけ、大きく両手を上げて背伸びをした。

「先生! 花火やろうよ」
 
亜矢子は着くやいなや、先生に催促した。

「じゃあ、みんな好きなのとって」
 
先生が花火の袋を開けて砂浜に広げた。
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