小児病棟
「よし! 俺はこれだ」
 
悟は真っ先に、一番長い花火をとった。

「あたし、これがいい」
 
亜矢子は、先端に紙のヒラヒラがついた花火を選んだ。

「俺は……っと」
 
正哉は、ちょうど中くらいの長さの花火をとった。

「じゃあ、こっちに向けて」
 
先生がライターを出す。みんな花火の先端を先生の前に持っていった。

「おー!」
 
誰かの花火に火がつく。子供たちの顔が、明るく照らされた。

「俺にくれ」
 
みんな次々と、花火から火をもらい、自分の花火に点火してゆく。またたく間にあたりは花火の光で明るくなった。
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