小児病棟
「はい! じゃあ、ここから真っ直ぐ行くんだぞ」
 
そう言って峯岸先生は、剛に木刀を持たせ軽く背中を押した。剛は、ゆっくりと歩き出した。

「もう少し左!」

「そのまままっすぐ!」
 
周りから誘導の声が飛ぶ。剛はその声の通りに、ふらふらとスイカに向かっていく。

「剛! あと五歩! 五歩進め!」
 
正哉が同じ部屋のよしみで言う。剛は、言われるとおり、五歩進んだ。

「そこだ! ストップ!」
 
周りの声で、剛は歩を止めた。

「よし! そこで、思いっきり上から叩け!」

「よおーし!」
 
剛は木刀を振りかぶり、思いっきり下に向かって叩きつけた。

「えい!!」
 
ボヨンという音がして、木刀ははじき返された。
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