小児病棟
「かわいー!」
 
その愛らしさに、みんな思わず拍手した。美保も、剛と同じくみんなの誘導でスイカまで辿り着いたが、振り落とした木刀はスイカには当たらなかった。

「惜しいー!」
 
目隠しをとった美保は、にこにこしながら戻っていった。
 
そのあとも、下級生から順々にスイカを割りにかかるが、なかなか割れない。そして、順番は五年生に回ってきた。

「じゃあ、加藤」

「よーし! 絶対に割ってやるぜ!」
 
正哉は、意気揚々と所定の位置に向かった。

「かっつん、俺が割るまで割らないでくれよ!」
 
悟が言う。

「いいや! 俺が割る!」
 
正哉は目隠しをされ、十回転ほど回った。

「よし! このまま真っ直ぐな」
 
峯岸先生の手が、正哉の肩から離れた。
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