小児病棟
「そうか……そうよねえ……」

黒木さんは、そうつぶやいて正哉のベッドの下に潜り込み、くまなく探した。しかし、ミニカーはどこにもなかった。

「ないわねえ……」

そうつぶやきながら、なおもひざをつき、床を探しまわる黒木さんに気が引けた正哉は

「黒木さん、もういいです……」

と、ため息交じりに言った。
その言葉を聞いた黒木さんはベッドの下から這い出てきた。

「もしかしたら、誰かが黙って借りてるかもしれないし、少し待ってみようか……」

そう、正哉に告げると、部屋を出てナースセンターへと戻っていった。
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