小児病棟
「もしもね、自分がとった、という人がいたら、黙って手を挙げてくれないかしら? 他のみんなは誰も見てないから……婦長さんにだけ、教えてくれないかなあ……」
食堂内は、まったく音のない静かな空間になった。婦長はしばらく、目を閉じている子供たち全員を見渡し
「もしね、とった人がいるんなら、それはよくないことだから、正直に手を挙げてほしいの。そうしたら、婦長さんは誰にもナイショにしておく。婦長さんから加藤君に返しておくわ? どうかしら?」
と、続けた。
正哉も、悟も、真っ暗な自分の頭の中で、誰か手を挙げている人がいるのだろうか、と考えていた。
食堂内は、まったく音のない静かな空間になった。婦長はしばらく、目を閉じている子供たち全員を見渡し
「もしね、とった人がいるんなら、それはよくないことだから、正直に手を挙げてほしいの。そうしたら、婦長さんは誰にもナイショにしておく。婦長さんから加藤君に返しておくわ? どうかしら?」
と、続けた。
正哉も、悟も、真っ暗な自分の頭の中で、誰か手を挙げている人がいるのだろうか、と考えていた。