小児病棟
「はい、みんな、目を開けていいわ!」

幾秒が経過したろうか、婦長はみなに合図をした。みな一斉に目を開け婦長を見た。

「誰も盗んでいないみたいね。よかった……」

婦長は、そう胸をなでおろす仕草をした。

「ここにいるみんなに限って、人のものを盗む人なんて、いるわけないもんね……本当、みんなを疑ってごめんなさいね」

そして、全員に向かって頭を下げた。

「はい! じゃあ、ご飯食べましょうね」

婦長は、笑顔でそう言ってナースセンターへと戻った。婦長の姿がいなくなるのと同時に、食堂にはスプーンや食器の音があちらこちらから鳴り出した。
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