小児病棟
「あーうまかったなー!」

四人は、あっという間に干し芋と佃煮をたいらげた。その表情は、だいぶ満ち足りたような、幸せな顔である。

「なあ、まだなんか足りなくねえ?」
 
悟がドロップを舌で転がしながら言った。

「じゃあ、またアレ、やる?」
 
正哉は右手を握り、口の前で左右に動かした。

「アレかー。久しぶりだな、やるか」
 
悟がそう言うと、四人の子供たちは一斉に毛布の中から飛び出し各部屋に散っていった。そしてしばらくして手になにかを持って再び集結し、毛布に潜り込んでいく。中で全員集まると、手に持っていたものを並べた。
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