悲劇のヒロインと傍観者
「にしても…夢島さん、既に男子たちに囲まれてるし」
絵理は夢島さんの机に目を向けている。
…クラスの男子ほとんど夢島さんを囲っている。
あぁ、女子の嫉妬した目が…。
夢島さんも夢島さんもだけどね。
男好きなのかな…?困る顔などせず、嬉しそうにドヤッとした顔をしている。
「なるほど」
そう呟くと絵理も頷いている。
すると夢島さんと目があった。なぜこっちを見たのだあの女。
口で助けてと言ってきた。いや、お前男子に囲まれて喜んでたじゃないか。