めぐりあわせ





岳に借りた鍵で、ドアを開けた。



すると、岳はリビングの隣の寝室に、ちゃんと着替えてベッドに寝ていた。



「ん?」



「あっ!起こしちゃった?」



「愛花?」



「そうだよ。戻って来たよ」



「よかった。ありがとう」



「まず、おでこに冷却ジェルシート付けるね」



「うん」



「コップ取っていい?」



「うん」



「スポーツドリンク飲んでね。はい」



「うん。ありがとう」



「お腹すいてない?」



「食欲ないな…」



「けど、薬飲まないといけないから食べなきゃね」



「お粥とか食べれる?」



「作ってくれるの?」



「うん。卵と梅干しどっちがいい?」



「料理とかしないから、どっちもないな…あっお米もないや」



「そうかな?って思って持って来たよ」



「え?マジで?嬉しいな。じゃあ、梅干しのやつ」



「キッチン借りるね。さすがにお鍋はあるよね?」



「あぁ、それはあるよ」



「じゃあ、借りるね」



「そこにあるの全部使って…」



「わかった」



岳のために作れるなんて、嬉しくて、ウキウキしてしまう。



彼女は、料理とかしなかったのかな?



料理器具とか揃ってない…



そんな疑問を持ちつつ、お粥が出来上がった。



「岳、お粥出来たよ。起きれる?」



「うん。そっち行くよ」






< 89 / 138 >

この作品をシェア

pagetop