呉服屋の若旦那に恋しました


少し開いている障子の隙間から、揺れている雪柳が見えた。

落ちた花が雪のようだと言われている、雪柳。

志貴の愛情は、まるで雪柳の花のようだ。

雪のようにしんしんと、優しく、やわらかく、降り積もる。でもそれは溶けて無くなったりはしなくて、私の胸の中に降り積もっていく。


優しく、

優しく。



「志貴……」



愛しいという感情を言葉だけで伝えるには、

もうお互い、限界だった。




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