ラブレター2
「まっぶしい。」

カーテンの向こう側を見ると、こっちでは珍しい、真っ白な雪が積もっている。

眠い目を擦りながら、あいが手を伸ばし、欠伸をする。

あいの眠る顔を見て、寝起きの顔を見て、朝から幸せな気分。

頭が、まだ働いていないようなあいに、キスをする。

「メリークリスマス。」

「…めりーくりすまぁす。」

ふぁ~あ。と声を上げ、寒い。と言って、布団に潜り込んだあい。

「起、き、て!!朝から襲うぞ!!」

ピクリとも動かないあいの布団に潜り込むと、クルクル。と毛布を持っていかれてしまった。

「おい。」

眠たい目は笑っていて、ふんっ。と言えば、また、こっちへ戻ってくる。

捕まえようとすると、また、クルクルを始めてしまう。

「もういいってば…。」

そう言うと、再度戻ってきたあいは、

「おはよ~!!」

と、ご機嫌になっている。

「おはよ。」

僕は、笑いながら返事をした。

この時、初めて、誰かと一緒に暮らしたい。と心から思った。

昨日の、飲みかけの飲み物を一口含むと、あいも。との我が儘さん。

「冷たくない。」

なら、返せ。と手を出すと、笑って、一気に飲み干すあい。

「酔わないね?」

「うん。あい、強いもん。」

一口ほど残ってある葡萄味を、僕は口に含み、仰向けのあいに股がり、キスの口移し。

「なら、俺に酔っちゃえ。」

愛しい人の、全てを手に入れたい僕の、小さな抵抗。

「酔っていいの?」

と、笑いながら聞き返してくる女の子。

唇、頬、首に激しくキスをした後に、優しく、またキスをする。

「アホか。」

笑いながら答えを返すと、

「もう、酔ってるも~ん。」

と、嬉しい答えが貰える。

不意に、携帯へ目を向けると彼女からの着信が何度かあった。

「彼女?」

今思えば、きっとあいにも、彼氏からメールくらいは来ていただろうに、それを言わないあいの優しさが、心苦しいのに。

「うん。」

バイトがある。ってあいの前で、彼女と電話していた。

その後、あいが好き。なんて言っても、寂しそうな顔のあい。

抱き締めても、何か切なくて。

「そろそろ、バイト行く。」

二人で過ごせる時間は、少ない。と知っていたけれど、だからこそ濃密に、特別にあいといた。

でもね、最後の最後まで、笑って見送ってくれたのに、言えなかった。

ありがとう。の一言を。
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