ラブレター2
笑顔の後
「ねぇ、プリクラ撮ろう?」

まさか、自分から女の子に言うなんて、思ってもみなかった。

普通は、どうか知らないけれど、今まで付き合ってきた女の子は、必ず、今の言葉を僕に言ってきた。

「うん!!いいよ。」

もしかしたら、あいから、好かれていないのかな。

普通の子より、甘えないあいを、好きになったこと。

やっぱり、怖くて、不安だった。

「ねぇ、キスしてるプリクラ撮ろう?」

形に拘(こだわ)るのは、そんな気持ちを、忘れさせてほしかったからかな。

「え~。」

その笑顔は、恥ずかしさからか、嫌なことを誤魔化すためなのか。も、分からない。

「ならい」
「ハイポーズ!!」

パシャ。

と、フラッシュを浴びてしまった。

「一人だけ、カメラ目線かよ。」

話しの途中だったために、僕は、よそ見をしていた姿を披露していた。

「もういいよ。」

「折角、撮るんだから、怒らない!!」

「ハイポーズ!!」

パシャ。

「はいはい。」

原始人もしない、ピースサインなんかして。

「次に撮る、背景を選んでね!!」

うるせぇ。

「笑って、笑って~!!」
「笑って、笑って~。」

あいが、機械の声と同じ真似をするから、つられて笑ってしまった。

パシャ。

「良い笑顔。」

子供扱いするように、あいは、僕を笑う。

「ちゅーのは?」

「今度ね。」

そう言われてから、頬を膨らませて、我が儘になるのはね、君も喜んでくれる。と、信じてるからなんだ。

そんな考えは、やっぱり、子供地味た物なのかな。

パシャ。

「ねぇ、笑って。」

二人で、ずっと、笑っていたいから…。

僕の我が儘、その甘え方。

不安を打ち消すくらい、もっと、ずっと、受け止めてほしいな。

パシャ。
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