殺戮都市
「あれは……北軍か?ここまで侵攻出来るとは」


戦闘が始まってかなりの時間が経過した。


ここは南軍よりの東軍の陣地。


そこまで到達する強者がいるという事だ。


「こんなの奥深くまで来たんですか?だったら、東軍のキングが見付かるのも時間の問題ですかね……」


「いや、そう簡単には見付からないだろうな。この街にどれだけの建物があると思う?キングがどこに置かれているかなど、その軍の人間でも知る者は少ない」


そう……だよな。


南軍の俺でも、南軍のキングがどこにあるのか分からない。


そう考えると、自軍のキングを探すのも敵軍のキングを探すのも、同じくらいに難しいのだ。


「案外その店にキングがあったりするんじゃないですか?なんて……」


「その可能性はあるな」


思い付きで言っただけなのに、本当にあるかもしれないの!?


何でも言ってみるもんだな。


「だが、ダミーという可能性もある。キングを守っているように見せかけて、実は他の場所にあるんだ。もちろん、確かめてみなければ分からない事だが」


自分の目で見なければ答えは出ないって事か。


恵梨香さんの目的はキングを破壊する事じゃないと分かってはいるけど、いざキングを目の前にしたら……どうするつもりかな。
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