殺戮都市
確かにそう言われてもおかしくはない。


そのつもりはなかったにしても、裸の奈央さんや恵梨香さんを前にしても何も出来なかったのだから。


いや、手を出せば、理沙に顔向けが出来なくなるという想いから抑えていただけだ。


「まあ、少年に性的な度胸がないのは認めるが……あまり言わないでやってくれ。それ以外の事は頑張っているんだからな」


ようやく入った恵梨香さんからのフォローも、あまり俺の助けにはなっていないようで。


「まあ仕方ないよね。一緒にいるのが小学生とヘルメット女じゃ。興奮しないよねぇ」


勝ち誇ったように、窓際の恵梨香さんと、ソファで眠っている亜美を指差して笑う。


こいつ……本気で逃がすべきじゃなかったかもしれない。


トイレでは怯えていて、可哀想に思たけど……本性は全然違うじゃないか。


「バ、バカ!お前、恵梨香さんはな、お前の何百倍も綺麗なんだぞ!」


「そんなわけないじゃん。顔に自信がないから隠してるんでしょ?」


なんで俺は必死になって優に反論しているんだ。


こいつがどう思っていても良いはずなのに。


そんな事を言われていても、恵梨香さんは全く動じずに窓の外を見ているし。
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