殺戮都市
「え!?やだやだ!どうして私がそんな所に行かなきゃならないの!?」


部屋に戻り、恵梨香さんが二人を呼んで「お前達を保護してくれるやつが見付かった」と、あっさり言ったのだ。


当然、二人は驚いた様子で、優が吠えるという流れになったのだけど。


「これからの戦いでお前達は足手纏いになる。少年がやったように……ポーンを殺す事が出来るのか?」


「そんなの……出来るわけないじゃない!でも、こうして隠れてれば良いんだしさ、連れてってくれても良いでしょ!?ね、ね、だからさ……」


亜美はどうすれば良いか分からず、オロオロしているだけ。


気持ちは優と一緒なのだろう。


チラチラと俺の顔を見ているけど、俺はもう、あんな想いはしたくない。


「ダメだ。ここからは私と少年だけで行く。どうしてそこまで付いて来ようとするんだ。死ぬのが怖くないのか?」


「だ、だって……その……真治が……」


助けを求めるように、優も俺を見るけど、俺は何も言えない。


「少年がなんなんだ?つい先刻、少年は恋人を失ったんだ。二度と元には戻らない、永遠の別れだ。お前達にそうなってほしくないから、保護してほしいと少年が頼んだんだぞ」
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