殺戮都市
恋人……その言葉を聞いて、俺の心が動揺したのが分かった。


北軍に恋人がいるのに、どうして恵梨香さんは一緒にいなかったのだろう。


いや、恋人だった……と言っていたな。


何らかの事情があって別れたんだろうけど、そんな相手に会いに行くのは恵梨香さんも嫌だろうに。


「恋人だったんですか。どうして別れたんですか?この街で生きるには、一緒にいた方が良かったんじゃないですか?」


再び歩き出して、俺の質問に対する答えを探すように首を傾げる。


「そうだな……だけど、あいつとは考え方が違ったんだよ。私の中で、優しかったあいつはもう死んだんだ。星5レアを手にしたその時からな」


そんな事を思うほど、そいつと恵梨香さんには決定的な何かがあったのだろう。


「……会いたくなければ、別に行かなくても良いですよ。まだ西軍も回ってないし、そんな危険なら、他にも仲間がいた方が心強いんじゃないですか?」


恵梨香さんの事を思って、そう言ったのに……当の本人は俺の気遣いにも気付かない様子で。


「なんだ?そんなに強くなったのに尻込みしているのか?ちょっと脅かしすぎたか……」


自分が元カレと会う事に関しては、特に気まずさを感じていないようだった。
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