殺戮都市
結局、北軍に向かう事になった俺達は、光の壁までやって来た。


また、次の戦闘が発生して、終了したタイミングで中央部を横切る為に。


出来るだけ中央部に近い建物に身を潜めようと選んだのはゲームセンター。


同じビルで、カラオケやボーリングなど、色んな遊びが出来る店のようだ。


俺と恵梨香さんはカラオケの部屋に入って、椅子に腰を下ろした。


「ふぅ……ここまでは無駄な戦闘がなくて何よりだ。少年も少しは立ち直ったか?」


メットを脱いで、テーブルを挟んで座った恵梨香さんが尋ねる。


立ち直る……にしては時間がなさ過ぎる。


こんなの、普通なら何日も落ち込んだままで、元の世界で起こった事なら部屋に引きこもる自信すらあるのに。


だから、この狭い部屋は妙に落ち着く事が出来た。


「そんなにすぐに立ち直れるはずないじゃないですか。なんだか、心が空っぽになった感じがします」


いつでも心の中に理沙がいる……なんて、格好良い事を言うつもりはない。


生きて、傍にいてほしかったのに。


「そうか。だが、立ち直れなくても敵は襲って来る。それだけは忘れるんじゃないぞ」
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