殺戮都市
妙にはっきりと理解したのを覚えている。


人はこんなにも簡単に死んでしまうのかと、その光景を見ながら不思議に感じた。


飛び掛かった男の勢いそのままに、新崎さんは弾かれるように地面に転がったのだ。


それを皮切りに、車を迂回して次々と南軍に雪崩れ込んで来る東軍の人達。


キングを破壊する為か、脇目も振らずに街の中へと。


「おいコラ！！テメェ何人の獲物に手ぇ出してんだよ！！殺すぞ！！」


「もたもたしてるあんたが悪いんだろ！？それに、ソウルが欲しいだけならほら、ここにまだいる」


そう言って、俺達を指差して見せた。


新崎さんを殺した男は、倒れた新崎さんに近付き、頭部に刺さったナイフを引き抜くと、人の流れに乗るように街の中へと消えて行った。


「あの野郎……いつか殺してやる。さあ、お前ら殺してソウルを稼がせてもらうぜ！」


そう言った鉄パイプの男に、遠慮なんて色は全く見えない。


すぐさま俺に狙いを定め、鉄パイプを振り下ろした。


危ない！！













身の危険を感じ、震えながら頭上に上げた日本刀。


ガンッという激しい金属音を立ててぶつかった鉄パイプが、鞘を滑るように逸れて、地面に叩き付けられた。
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