殺戮都市
いや、本当にそうだろうか……。


何か、妙な感覚だ。


怪物から敵意を感じないのは奇妙だけど、それ以上にどうして俺に付きまとうのか。


凄く不気味なんだよな……。


「おい、いつまで付いて来るつもりだよ。良い加減しないとマジで殺すぞ!」


棍を振って、ビルの陰に隠れた怪物に尋ねるけれど、怪物は慌てて顔を引っ込めて、再びチラリと顔を出して俺の様子を伺う。









……お前は乙女か!









憧れの先輩の後をこっそりつける後輩の女子か何かか!


心の中でそんな事を呟いて、大きな溜め息を吐いた。


一緒に来てくれているのがおっさんとか、隼人辺りだったら頼りになるんだけど、まさかこんな怪物とは。


それも、戦闘になったら絶対に俺の味方じゃないと分かる。


隙を突いて喰おうとするに決まってる。


俺は大きなハンデを一つ抱えている状態だ。


まあ、そうなったら、敵もろとも殺してしまえば良いだけなんだけど。


他の個体とは違う小さ目の怪物なんて、数のうちに入らないから。


そんな事を考えながら歩いた光の壁への道。


目的地も随分近くなって、すぐ目の前に光の壁が見えた時だった。
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