色のない世界
向かった方を見ると、恥ずかしそうにモジモジと、こちらを見ている女の子が居た。

それがモカだった。

宗じいはモカを抱き抱えて俺の所に戻ってきて

「琉、これがモカだ!可愛いだろ〜?ほら、モカ!挨拶は?」

といつも以上に豪快に言った。

モカは人見知りをするようで不安そうに、小さな声で

「…こっ、こんにちは」

と言った。

そんな態度で言われたら、こっちまで変な照れがでる。

「こんにちは…」

「何だ、何だ。お前達、お互いに一目惚れかぁ〜」

と宗じいが茶化すように言ってきたのを、全力で否定した。


.
< 110 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop