色のない世界
「友香ちゃん、大丈夫?びっくりしたねぇ」

増井さんはそう言いながら、私の背中をトントンと叩いた。

言葉が出なくて、頷くのが精一杯だった。

「でも…さっき見た時は、あんな事にはなってなかったのに…ん?友香ちゃん、今日は青いワンピースを着てなかった?」

「ううん…」

「そう?友香ちゃんにそっくりな子が居たんだけど…じゃ、あれは亜美ちゃん?」

はっとした。増井さんが見た青いワンピースを来た女の子は亜美に違いない。


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