色のない世界
「何で隠そうとしたの?」
「あなた達に辛い思いをさせたくなかったからよ…」
そう言ったのを皮切りに、母は決心したように話始めた。
自分が子供の頃、腫れ物みたいに扱われた事。
友達が出来なかった事。
そんな思いを自分の子供にはさせたくなかった事。
「私は結婚して、普通の家庭に嫁いだわ。それでも、神宮寺の娘というのはついてまわった…
だから、父…おじいちゃんが亡くなったのを機に全てを無くしたかったの…
それで、浅井さんにも田中さんにも、これからの人生に関わらないでくれるように頼んだのよ…」
「…」
何にも言えなかった。
.
「あなた達に辛い思いをさせたくなかったからよ…」
そう言ったのを皮切りに、母は決心したように話始めた。
自分が子供の頃、腫れ物みたいに扱われた事。
友達が出来なかった事。
そんな思いを自分の子供にはさせたくなかった事。
「私は結婚して、普通の家庭に嫁いだわ。それでも、神宮寺の娘というのはついてまわった…
だから、父…おじいちゃんが亡くなったのを機に全てを無くしたかったの…
それで、浅井さんにも田中さんにも、これからの人生に関わらないでくれるように頼んだのよ…」
「…」
何にも言えなかった。
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