色のない世界
あの場を切り抜けられた事で安心していたけど、ことの発端の亜美の姿を見た瞬間私の中で何かが切れて、気付いたら走り出していた。

「琉、どいて!」

バチンッッ。

ビンタした。

亜美は予想外だったらしく、叩かれたと同時に尻餅をついた。

「なっ」

「何すんのよ!じゃないよね?それ、私の台詞」

「…」

「いい加減にしなよ!」

「…」

「今までは、我慢してきたけど、もう我慢できない」

「…」

「みんなに迷惑かけたんだから、謝りなさい」


私が詰め寄っていると隣で琉が笑っている事に気付いた。


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