色のない世界
二日後―

「琉さま、これを」

「おう。……へぇ〜。
そういう事…」

「ご苦労だったな」

「いえ」


――トントン。

「誰だ?」

「友香だけど…」

「入れば?」

ガチャ。

「あの、これ……この前のお礼」

そう言って私は、私のお気に入りのシュークリームを差し出した。

「何だ、これ?」

「シュークリーム」

「…」

「あっ、シュークリーム嫌いだった?」

「いや、甘いものは基本的に好きだからいいけど」

「じゃ、どうしたの?」

「お前もなかなか気が使える女なんだなと思ってさ」

「なによ、それ!」

「冗談、冗談」

「もう!」


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