鎖恋-僕たちクズですー
英二と仲が良かった同僚が英二のことを噂している。

もちろん私にはみんな気遣ってあくまでもコソコソと・・・

妙にそれが私の好奇心をそそるっていうか、余計に聞き耳を立ててしまう。

「・・結婚・・」「ん・・?」結婚ってワードが何回も何回も・・・

その言葉が私の頭から離れない。

「児玉さんって結婚してたっけ・・」ある女子社員が発した一言は衝撃的で

私は一気に血の気が引いた。

「そ・そんな・・」当たり前だが、そんなこと一言もきいたことがなかった私。

「本当なら完全に私・・不倫じゃん・・」瞬時にこの関係性を見極えた。

「やだよ。」忘れかけてた英二への想いがまたなぜか再熱している。

恋人だって余裕だった・・むしろ・・倦怠期気味でしょうもなかったのに

急に逢いたくなっている。

その日から私は英二にメールを送り続けた。

もちろん、また逢うために

何も知らない英二は

「何?どうしたの?」なんてとぼけた返事のように私は腹が立っていた。

腹立たしさの中に

まだ「好き」って気持ち

残念ながら私はそこに掻き立てられ

とうとう・・・英二に逢いに来てしまった。

夏の日の午後

英二は車で駅まで私を迎えに来てくれた。



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