鎖恋-僕たちクズですー
「暑かったでしょ?」

「うん・・」久々に見る英二の横顔。

助手席に乗るのも何か月ぶりかな。

「真奈・・少し痩せた?」英二は私を気遣う。

「う・・・うん・・・」あの噂以来・・私は元気がなかった。

今にも英二に問いただしたい・・そんな気持ちと

傷つきたくない自分で私はドライブ中も複雑だった。

「どこ行きたい? なんか美味しいもの食べようっか。」英二の気さくな会話。

「うんうん・・・このまま普通にデートしたーい。」恋人ならそう思う。

でも・・・

「実は・・話があって来たの。」私は英二の会話を押し殺すかのように切り出していた。

英二も我にかえったのか真面目な目つきで私を見つめた。

「あ・・・」ためらうも、私は切り出した。

「実は結婚してたってホント?」

今まで明るかった英二の表情が一瞬濁っていた。
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