恋の神様はどこにいる?

「巫女舞の練習って、どういうこと?」

「どういうことって、まんまの意味だけど? 午後から和歌ちゃんと五鈴が巫女舞の練習するって言うから小町に見せようと思ったんだけど、どうせなら一緒に練習すればいいだろ?」

やっぱり五鈴さんもいるんだ。

気になっていたことがわかって、スッキリしたようなモヤモヤが増えたような。

でも和歌ちゃんも一緒だし、そこばかりに気を取られていては進歩がない。

仕事としては来週からだけど、私の巫女修行は明日からスタートとなりそうだ。

「だからいっぱい食べておけってことね」

「そういうこと。わかったら、さっさと食えよ」

カウンターの上には長浜ラーメンも運ばれてきていて、頼んだものが勢揃いしていた。

もう一度「いただきます」と言うと、両手で丼を持ってスープを一口すする。

「美味しい」

「な。ここ来て正解」

席に着いたときは落ち着かなかった志貴の隣も、今ではすっかり慣れていて。時々触れる肘が、心地よかったり。

周りから見たら、恋人同士に見える?

そんなことを気にしては、目だけキョロキョロ動かして周りを見てみたり。

「替え玉あるってよ」

志貴の掛けてくれる言葉が自然に耳に入ってきて、居心地のいい時間が流れていく。

「そんなに食べれないよ」

「そうなのか? じゃあ俺だけ頼むぞ」

へぇ~。志貴って細いのに、結構食べるんだ。

こうやって知らなかった志貴の一面を、ゆっくり知っていきたい。


ひとつずつ、ひとつずつ───





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