恋の神様はどこにいる?
「この唐揚げ、美味しい」
「だろ。ここは鶏肉をメインに扱ってて、この唐揚げが大人気なんだ。今日は特別に用意してやったから、心して食えよ」
「はいはい」
何よ、その偉そうな態度。五鈴さんの前だからって、いつもよりも二倍増しじゃない?
面白くない。
でも特製弁当は、どれもこれも美味しくて。すぐに私を笑顔に戻してしまう。
「小町さん、美味しそうに食べるのね」
「小町は食い意地が張ってるからな」
「よく食べるって言いたいんでしょ?」
「よく食べるののどこが悪いっていうんだ? 俺はおまえと飯食うの、好きだぞ」
「す、好き……」
別に私のことを指して言ったわけでもないのに、“好き”に素早く反応してしまった私の脳は、顔を真っ赤に染め上げる。顔の熱さでそれを悟った私は、バレないようにとっさに顔を下げた。
「このあとは巫女舞の練習で体を動かすからな。いっぱい食っとけ」
「はい」
いつもなら『うん』と答えるところだけど。今は五鈴さんがいる手前、あえてちゃんと返事を返す。
綺麗で上品で大人っぽい五鈴さんに近づけるように。そして少しでも、志貴の隣が似合う女性になれるように……。