恋の神様はどこにいる?

自分は五鈴さんと結婚するくせに、何言っちゃってるの? 私が誰と帰ろうと、志貴には一切関係ないじゃない!!

腹ただしい気持ちを抑えつつ他のメールの内容も確認すると、最初こそ強気な俺様文面ばかりだったメールが『なあ、返事しないつもり?』『おまえから返事来るまで、寝ないで待ってるから』とその文面は少しずつ変化を見せ始めた。

「嘘でしょ?」

本当に寝ないで待っていたとか? 

まさかそんなことはないと、今来たばかりのメールを開いてみると……。

『俺、今日から研修なんだけど。おまえのせいで一睡もできなかった。どうしてくれるんだよ? 研修のあと知り合いの神社も寄ってくるから帰りは金曜日。戻ったら罰だかんな。覚えとけよ。あと明日兄貴から話があると思うけど、今週の土曜日は大事な挙式がある。当日おまえにも浦安の舞を奉奏してもらうから、ちゃんと練習しておけよ』

本当に寝なかったんだ。

ってなんで私が罰受けなくちゃいけないのよ!! 一睡もできなかったのは、志貴の勝手でしょ? ありえない。

それに“大事な挙式”なんて、自分のことなのにまるで他人ごとのような言い方をして。

大事な挙式……。

志貴はそれだけ、五鈴さんのことを愛しているんだ。

これは完敗だね。もうどう転がっても、志貴が私に振り向くことはないだろう。

スマートフォンをテーブルの上にそっと置くと、布団に寝転んだ。

志貴と出会ってまだ三週間。失恋したとはいえ、まだ傷は浅い。

腕で目を隠すと、自然と涙が込み上げてくる。

「これが最後にするから……」

そう呟くと、堪えることなく涙を流した。



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