恋の神様はどこにいる?

「ヘックション!! ……やっぱり風邪引いたかも」

シャワーを浴びてルームウェアに着替えると、布団の中に潜り込む。

今日が休みでよかった。

久しぶりの休みが風邪を引いて布団の中とは、なんとも情けない話だけれど。

自嘲気味に笑うと、鞄に手を伸ばす。

「後でこれも乾かさなきゃね」

濡れた鞄を引き寄せると、中からスマートフォンを取り出した。

真っ黒の画面の右上に、着信があったことを知らせる赤いランプと、メールが来ていることを知らせる緑色のランプが順番に点滅している。

それを見た私は、とっさにスマートフォンを手から離した。

ボスッと布団の上に落ちたスマートフォンをしばらく眺めていると、突然それがメールを知らせる音を鳴らした。

「うわっ!!」

まさか今このタイミングで着信音が鳴ると思ってなかった私は、驚きのあまり布団から飛び起きた。

「誰?」

恐る恐るスマートフォンを手に取ると、画面に表示されていたのは……。

「志貴……」

着信履歴もメールの受信履歴も、確認してみれば昨晩からのものは全部志貴で。

内容を見れば、『どうして勝手に帰ったんだ』とか『どうして俺に直接言いに来ないんだ』とか偉そうな文面ばかり。挙句の果てには『本当に友達と帰ったのか? それ、男じゃないだろうな?』と意味不明なことが書いてあって、だんだん腹が立ってきてしまった。

この期に及んで『男じゃないだろうな?』なんて、志貴って本当に最低。



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