恋の神様はどこにいる?
「いず兄!! 余計なこと言うなよ。俺がいつ、コイツのこと好きって言った?」
「好きじゃないの? そんなこと言ってると、千里兄さんに小町ちゃん取られちゃうよ? いいの?」
「ああぁぁぁ!! どいつもこいつも、勝手なことばっか言いやがって。おい小町。とにかく今日結婚するのは出雲と五鈴。だから千里の妹になるってわけ。俺は忙しい出雲の代わりに、結婚式の準備を手伝ってただけ。わかったか?」
「う、うん」
「じゃあ行くぞ」
「え? ど、どこに?」
「おふたりさん、お幸せに~」
出雲さんは楽しそうにそう言うと、私に手を振った。
今から幸せになるのは、出雲さん、あなたの方でしょ?
そう言いたいのに、志貴に無理やり腕を引かれている私は、どんどん出雲さんから離れてしまっていて。新郎控室から出ると、社務所の裏口から外に連れだされた。
「ねえ志貴? 腕が痛いんだけど?」
何かに怒っているのか、私の右腕を掴む志貴の手の力は強くて。腕がジンジンと痺れ始めた。
私の問に何も答えてくれない志貴はただ黙々と歩き続け、母屋を通り過ぎると離れへと到着する。
なんで母屋?
と躊躇する間もなく中に押し込まれると壁際に追い詰められ、壁に背中がぶつかると志貴の右手が顔すれすれにドンと置かれた。