恋の神様はどこにいる?

「ん、なに?」

私に気づいた志貴は唇を少しだけ離すと、艶っぽい目を私に向ける。

その目は私の心を一瞬で捉え、自然と口を開かせた。

「志貴が、好き……。大好き。だから五鈴さんと結婚するって知った時はツラくて、苦しくて……」

志貴にちゃんと好きだと伝えたら、溢れる想いは止まることを知らなくて。ずっと胸の内に溜めていたことを、全部吐き出す。

「志貴と五鈴さん、すっごくお似合いだし。それに比べたら私なんて、ちんちくりん体型で子供っぽいし。志貴と五鈴さんが結婚するって勘違いした日、雨の中びしょ濡れになりながら歩いて帰って、そのまま寝ちゃって風邪引いて。そんな時志貴からメール来て、文句ばっか言われるし。挙句の果てには、罰だなとか言われちゃうし。志貴のことはもちろん大好きだけど五鈴さんのことも好きで、やっぱり祝福しなきゃ、志貴のことは諦めなくちゃって」

もう言っていることが支離滅裂。自分でも収集がつかなくて志貴の顔が見ていられなくなると、身体をグッと引き寄せられた。

「もういい。わかったから黙れ」

志貴でも、こんな優しい声出すことあるんだ。

その声に安心して志貴の腕の中に身を預けると、胸に頬を寄せた。

心臓からは、志貴の力強い鼓動が聞こえてきて。それが、今志貴に抱かれていることを実感させる。

「小町、俺のこと好き過ぎだろ?」

「駄目……かなぁ」

「駄目じゃない。俺も小町のこと、好き過ぎだからな。おまえもそうじゃないと困る」

嘘。今志貴、私の事好き過ぎるって言った? 言ったよね?

ということは……。



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