恋の神様はどこにいる?
「何、自分の裸見てんの?」
「わぁっ!! し、志貴!? 寝てたんじゃないの?」
今の今まで寝息を立てていた志貴が、私を見てニヤニヤ笑っている。
ま、まさか!!
「嘘寝してたんじゃないでしょうね?」
「嘘寝って。人聞きの悪いこと言うなよ。小町が勝手に、寝てると勘違いしてただけだろ」
ああ言えばこう言う志貴のこと。この後何を言っても無駄だと学習してきた私は、黙って唇を尖らせた。
「可愛い顔して怒んなよ。で、自分の裸見て、何考えてたわけ?」
「な、何って……」
「ちゃんと言えたら、ご褒美をやろう」
な、何がご褒美よ!! 相変わらず偉そうなんだから!!
頭ではそう思って腹が立つのに、どうやら身体は違うみたいで……。
そのご褒美とやらが気になるのか、全身を熱くさせて『早く言っちゃえ』と急き立てた。
「志貴と……」
「俺と?」
「愛し合えて、幸せだなぁと思ってた」
「当たり前だ。俺を誰だと思ってる? なんてな。俺もおまえを愛することができて幸せだ。愛してる」
「私も」
お互い見つめ合うと、どちらからともなく唇を重ねる。
それは甘くて濃厚な、チョコレートのようなキス。一度味わったらやみつきになって、止まらなくなってしまう。
しばらくして名残惜しそうに離れた唇は、しっとり濡れていた。