恋の神様はどこにいる?
「さてと、お腹も空いたしそろそろ帰ろうかな。今日は飲むぞー」
もう一度拝殿に向き直り軽くおじぎをすると、クルッと180度振り返る。
「面白いお願いだね。僕で良かったら、話を聞くよ」
「うわっ!!」
な、なに? どこから声がするの?
突然耳に届いた声にキョロキョロ辺りを見渡すと、頭上からもう一度声が降ってきた。
「本当に君、面白いね。俺はこっち」
頭をポンと叩かれてふと見あげれば見知らぬ男性がいて、ニコッと微笑みかけられる。
思わずその笑顔に魅せられて、つられて笑ってしまう私。
なに? この、まるで雑誌から抜け出してきたモデルのような素敵な男性は!
爽やかに整えられている短い髪、キリッとラインを描く眉、綺麗なアーモンド形の目は透き通っていて、見つめられると吸い込まれてしまいそうだ。
「ここじゃなんだから、あっちのベンチに座ろうか?」
スラッと長い腕が伸びてきて、私の腰に手を回す。
整った顔から発せられる甘い声に私の脳内は麻痺してしまい、彼に言われるがままに歩いて行くとベンチに腰を下ろした。
彼も私の横に座ると、ジリジリと肩を寄せ始める。