☆You☆

あなたと見る花火



最近は

みんな憧れの先輩や
同級生に 恋してる


中学2年になると
まわりの友達も 恋話に 夢中だ



私は 幼稚園からずっと変わらず
悠太に恋をしている



彼は 中学2年になって 急に背が伸びて

身長153センチの私は
隣で見上げるほどの 身長差になっていた

隣に立つ悠太が 昔より 大人に見える





「尚ちゃん」

笑顔で 悠太は 私の教室に やってきた

悠太は 昼休みになると 毎日
私のクラスに顔を出すようになった


そして 私も 悠太のそばにいる

いつも


私の2年生のクラスの席は

窓際の一番後ろ



昼休みのうたた寝には 心地よい特等席


悠太は 私の前の友達の椅子に
後ろ向きに 腰掛け

私の机に顔を置き
私の手を握りながら お昼寝する



「尚ちゃん 愛してる」

寝言みたいに 眠そうな顔で
私を見ながら 彼はいつも言う


私も

「悠ちゃん 愛してるよ」

と 笑って答えた

私は 少し眠りについた悠太の前で


そっと 彼の手を握り返しながら

いつも変わらない
学校の外の景色を眺めている





夏だと言うのに 風が 心地いい

白いカーテンが 風に揺られて
ふたりの静かな幸せな時間を 包み込んだ


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