愛情の鎖
それって…
「そいつがまた面倒くさい奴でさ、黙ってりゃ可愛いのにいちいち俺に向かって悪態をついてくる。ああ言えばこう言う。顔を合わせりゃ嫌みを言ってくるわで、おかげで俺の繊細なハートはボロボロに痛みきって今じゃそれを治すのに大変なんだよ」
よくもまぁ、そんなことを…
それって私のことじゃない。誰が繊細なハートなのよ。それこそこっちがストレスで胸焼けでもしそう。
「私だってね、毎日口の悪い隣人に絡まれて大変だったんだから。おかげで3キロも痩せちゃったんだからね」
「ほぉーそれはよかったじゃねーか、その調子でもっと頑張れよ」
「なっ……」
なによう!?
ああ言えばこう言う。悪態をついてるのはそっちじゃない!
「べつに、コウさんの為に歌ってたわけじゃないもん。勝手にちょっかいをかけてきたのはそっちだし、ボロボロになるぐらいなら私に構わなきゃ良かったじゃん!」
ふんっと、コウさんからそっぽを向いた。
あームカツク。せっかく今回の一件でコウさんのこと見直してたのに、心外だ。
相変わらず口が悪いのも健在だ。
頬を膨らませ、もう一度ギロリとコウさんを睨み付けようとしたら…