愛情の鎖
すると、コウさんの眉毛がピクリと上がる。
「アホか、あいつは女じゃない。前も言っただろ?唯は結婚してるって、むしろあいつは女というよりただの同僚だ。今まで異性として意識したことなんてねぇ」
それはちょっといいすぎなような…
さすがに唯さんが可愛そう。女じゃないなんて女性に対して失礼だと思うけど…。
「じゃ、じゃあこの服は?これって私に?それとも他の違う誰か……」
声が小さく口ごもる。
実はさっきから気になっていた。
だってシャワーから出ると、脱衣所に真新しい女性ものの着替えがしっかりと用意されていた。
それは見るからに新品で、真っ白なガウチョパンツにグレーでボーダー柄のカットソーは今年の流行りものそのもので、下着もあからさまに新品。それを見た瞬間どう反応したらいいのか分からなかったから。
昨日の今日だというのにやけに手際がいいなっていうか、準備万端だよね?