愛情の鎖

少しビックリした私は軽く会釈をして、すぐに視線を反らした。

ちょっと緊張、でもすごく美人さんだ。おまけに愛想もいい。

思わず感心しながら女性の横を通り過ぎようとすると、それを見計らったように突然声をかけられた。



「お久しぶりですね」



ふいにそんな言葉をかけられて、ビクッと足を止める。

手を洗い終えた金髪美女が何故か私に向かってやんわりと笑いかけてくる。


「えっ……」


こんな美女に知り合いはいないと思うけど…

何かの間違いじゃ…

咄嗟に思考を働かせながら、私はやけにこの女性の声が低いことに違和感を感じる。


「…あの、誰かの間違いじゃ……」

「いいえ、間違っていませんよ。澤田梨央さん」


ズバリ名前を言われ、目を見開いた。

学生時代の友達?いや、親戚関係の人?

瞬時にぐるぐると思い返してみたけれど、やっぱりヒットする相手はいない。

だけどこの声のトーン、どこかで聞いたことあるような…

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