愛情の鎖
「なんだ、本当変な質問だな」
「ごめんなさい。でも最近一人になるとやたら考えちゃって…」
「ふ〜ん」
どうしてかな?私だって正直そんなこと最近まで真剣に考えていなかった。
…でも、宗一郎さんに出会い、お金で買われてからは私の人生はガラリと変わった。
お金と愛なんてそれまでの私の人生の中ではまだ漠然としていて、無縁のテーマだったものがすごく身近なものになったんだ。
「はっきり言ってこの3年の間に色んな事を知りました。お金の怖さ、そして愛情の大切さなど、すごくまじまじと痛感したっていうか…」
「ふーん、で?お前のたどり着いた結論はどうだったわけ?」
「えっと、それは……」
その後すぐ言葉にすることができなかった。
だって実を言うとまだよく分かっていないから。
「…正直に言うとまだよく分からなくて…、悔しいけどお金がないと食べることも遊ぶことも何もできないし、かといってお金だけあっても妙に気持ちが寂しいっていうか…」
これは実際に宗一郎さんと結婚して学んだこと。私が今現在痛いほど痛感していることだ。