愛情の鎖

「今日はもう途中でやめねーからな」

「……えっ?」

「このまま朝まで離さない」


そう言いきると、コウさんの手がブラジャーのホックにかかる。プツリ…、それを取り払われると、私は素肌のまま抱き抱えられ、ベッドの上に横たえられた。

ギシッと揺れ沈む軟らかなベッドにドキドキが加速する。

真上から見下ろされるコウさんの瞳が少し怖いぐらい…甘い。

だけども頬を撫でる仕草はとても優しく、見つめられた私はとろけそうになってしまう。



「ずっとお前が欲しかった」


そんなこと言われて喜ばない人なんているのだろうか?

それを好きな人に言われると尚更のこと。


「こんなに慎重に扱った女はお前が初めてだ」


嬉しすぎる言葉に笑みが浮かび上がる。

その反面目頭が熱くなっていき、私の瞳からは高ぶった感情が零れ落ちそうになっていく。



「…私も…です。こんなに触れたいと思った人は初めて」



そう囁けば返ってきた眼差しにやっぱり泣きそうになった。

そして彼が上着を脱ぎ捨てるのを見届けると、覆い被さってきたコウさんの首に迷いなく腕を回した。


「…好き、コウさ……」


何度言っても好き。

今まで感じたことのない愛しさが身体中に込み上げる。
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