神聖魔法団【下】
「雷?」
不意に名前を呼ばれ声の主に目を向ける。
「どうかした?」
「なんでもない」
瑠雲の顔が笑顔になる。
「そっか」
早くこの笑顔を黎奈に見せたい。
「あ、やべ。俺この後約束あるんだった。」
思い出したかのように瑠雲が言った。
「デートか」
「違うわ!
瑠音と遊ぶ約束しててさ」
「弟思いの良い兄ちゃんだな」
「それほどでも?」
悪戯っ子のような笑みを零した。
「急がなくていいのか?」