妄想世界に屁理屈を。

刹那。



「アカネ様に近づくな下郎がぁあああああっ」



何かが飛び出してきた。


どうやら人間らしいやつは、ダッシュで影に飛び向かい、走る。


そして、銀色に光る剣みたいなのをやたらめったらにふるう。


そのたびに黒い影は俺の時のように塵を散らせるが、違うのは塵が消えていることだ。


剣に吸い込まれてるように見えた。


そのたびに消えていく影。



やがて、影は完全に消えた。



「す、げ…」


ぽつりと出た感想。


ぜえはあとその人物は肩で息をしながら振り向いた。


そこで気づく。



――少女だ。



アカネよりもずっと小さくて、小学4年生くらい。


髪の毛の色はアカネより少し脱けた色の朱で、ちょっとだけ茶色が混じっている。

ポニーテールがまた幼さを主張させていて、でも頑張って大人ぶろうとしてるかのような茶色の着物。


目の色は茶色で、潤んでて――



う、潤んでて?



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