妄想世界に屁理屈を。

シロは白の字。もとい、“破壊”を担当するもの。


現在行方不明中の、失われた鳳凰の一部だ。



鸞はその捜索を打ちきった張本人。



あんまりにも手がかりがなくて、最善の策だったと今では思う。

けれど、私は幼かった。


体じゃない。心が。


目の前のリーダーの行動に、心が追い付かなかったのだ。



やっぱり心の底では憎んでて、だから鸞が苦手なんだと思う。

ううん、私もいつか捨てられるのかなとも。


「…アカネ、本当にごめん」


目の前で、鸞が頭を下げていた。



「な、」



国宝級のレア映像。

コイツが頭を下げるなんて…!


リーダーを自負する彼女は、無駄にプライドが高い。


だから、頭なんて滅多にさげないのに。




「…嘘じゃ。ぜーんぶ」




…へ?

「シロの捜索は打ち切ってない。今も立派に捜索中じゃ」



なっ…


「えぇえええ!?」



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