妄想世界に屁理屈を。
◇◇◇
…ラチられた。
驪さんに。
「ちょぉぉっといいですかー?」
なんて、腕を引っ張られて。
「……」
例の書斎に向かわせられ、本で一杯の空間にいる俺。
驪さんよくわからないけどにこにこしてるから、続いて俺もにこにこしてみた。
「えいっ」
いきなり俺の方に手をかざして、可愛らしく言葉を吐く。
えい?
後ろを振り向くと、なんか本棚が移動してた。
左右に、勝手に。
「うぇえ!?」
「隠し部屋ですっ」
自信満々に言うなっ
「な、…なんっ」
口が閉じない。
隠し部屋とは当然隠すためのものだ。
なのにバリバリ見せてる。見せまくってる。
この人大丈夫かなあ…
「じゃ、行きましょー」
「なに当然のように言ってるんですか!?」
なんで?なぜ?なにゆえ?