妄想世界に屁理屈を。


あるとき、彼はわかったんだ。


神話にはある一定の法則があることを。



それはね、最高神は必ず破られるということさ。



それも多くが罪人によってね。

大抵が親殺しという罪を負って最高神を倒す。


そこから神代の時代、または人間の時代が開ける。


高みにのぼった、一歩上の神話になる……


それがわかった彼は、自分に足りないものがあることを知った。

彼も最高神という神。

自分自体も神話であって、それならばそれに乗っ取ったことをしなくちゃならない。


創龍はあまりにも高すぎて、彼を倒しそうなものはいなかったのさ。


だから彼は子供を作った。


いつか自分を越して、一歩上の世界にしてくれるように祈りながら。


< 257 / 631 >

この作品をシェア

pagetop