妄想世界に屁理屈を。
あるとき、彼はわかったんだ。
神話にはある一定の法則があることを。
それはね、最高神は必ず破られるということさ。
それも多くが罪人によってね。
大抵が親殺しという罪を負って最高神を倒す。
そこから神代の時代、または人間の時代が開ける。
高みにのぼった、一歩上の神話になる……
それがわかった彼は、自分に足りないものがあることを知った。
彼も最高神という神。
自分自体も神話であって、それならばそれに乗っ取ったことをしなくちゃならない。
創龍はあまりにも高すぎて、彼を倒しそうなものはいなかったのさ。
だから彼は子供を作った。
いつか自分を越して、一歩上の世界にしてくれるように祈りながら。