妄想世界に屁理屈を。


「で、でも鸞さま。
その冷蔵庫の中身が霊水と砂糖と……み、みねらるうぉーたー……これ水なの?」


ミネラルウォーターね、スズ。

スズの言い方に突っ込みがいってしまったが、彼女の冷蔵庫は突っ込み所満載だった。

まず、でかい。

銀色のいかにもな冷蔵庫なのだが、アメリカ人のファミリーが使いそうなでかさだ。


これのせいで圧迫感漂うキッチンに。


つぎに、さっきスズが言ったように、水と砂糖と霊水しかない。

それ以外ないから空っぽ。

電気代もったいないし、どれも冷蔵庫に入れても入れなくてもどっちでもいいやつだし。

ああ…鸞さん生活できてるのかな。

なんのカモフラージュにもなってないよ!


しかも霊水をタッパーに入れるなタッパーにっ!

白いから、なんだか怪しい液体に見えてくるよっ!


「必要最低限じゃ」


まあそうなんだけどね。


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