妄想世界に屁理屈を。




あの子達はよく彼女に似ている。


鸞の冷静沈着なリーダーシップ

苑雛の思考の優しさと、頭の回転の速さ

黒庵の完膚なきまでの強さ

そしてアカネの子供のような屈託のなさと、シロの不器用さ



神の失態から生まれた私の子供たちは、その神の特徴を受け継いでくれた




「……愛するなら私を切って、

その言葉ほど辛いものはありませんよ」



好きだとつたえたくば、殺さなくてはならない

己を愛してくれてる彼女の願いを聞いてあげなくちゃ、彼女は一一



「あのね、天探女

私は不安なんです


切ったことは間違いだったのでしょうか?」


誰にも明かせない思いは、間違っていたのだろうか。


彼女にならそれがわかる。


好きな人を食った彼女になら。



「間違いだと思ったら、浮かばれないのは相手だよ」


「…なるほど、そうですね」




彼女のために、悔やんではいけないのだ、あの日を一一



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